第12章 HERO!!!!!
ハァハァ……────
誰か────誰か助けて────
太陽の日差しが眩しい人で賑わう大通り
ペタペタと裸足で走る子供の足音
おかしいと思わないか?
子供が怯えた顔で必死に無我夢中になって
微かな光に手を伸ばした。
誰か────助けて…!
ドンッ
子供は暗い路地裏から裸足で人通りの多い
開けた道に出たとたん
人とぶつかってしまった
ヒーローコスチュームを着た2人
そのうちの1人が 「大丈夫?痛かったよね」
そう言いながらニコッと笑って
子供に向かって手を差し伸べた。
緑谷「立てない?大丈夫?」
差し伸べられた手に子供は怯えた表情で
身体を震わせた。
その背後から1人の男性が現れた
暗い路地裏から不気味なほど淡々と話しだした
治崎「ダメじゃないかヒーローに
迷惑かけちゃあ 帰るぞエリ。」
僕の長いインターン活動が始まった。
~数分前~
ミリオ「そういやさ!
ヒーロー名聞いてなかったよねお互い!」
緑谷「たしかに デクてす!」
ミリオ「…デク?!木偶?!いいのソレ?」
緑谷「いいんです!」
ミリオ「俺は「ルミリオン」!!!
"全て"(オール)とまでは行かないが
"百万"(ミリオン)を救う人間に
なれるよう命名した!
「レミオロメン」みたいでカッコイイだろ!」
緑谷「レミオロメン…」
ミリオ「コスチュームを纏って街に出れば
俺たちは"ヒーロー"だ!
油断するなよデクくん!」
緑谷「はい!ルミリオン!」
嘘だろ…────!
『死穢八斎會』若頭の地崎という男
治崎「うちの息子がすみませんねヒーロー
遊び盛りで怪我が多いんですよ困ったものです」
ニコッと目尻を掠め微笑んだ。
ミリオ「まーたフードとマスク
外れちゃってるぜ
サイズ調整ミスってんじゃないのか?!」
通形先輩何をいって…────
…………!そうか
「嘘だろ」が顔に出てた……!
いけないお互い何も知らない状況なんだ
怪しまれればナイトアイの仕事に支障が出る!
ミリオ「その素敵なマスクは八斎會の方ですね!
ここいらじゃ有名ですよね」
無難に…自然にやり過ごさなくては……!
治崎「ええ……マスクは気になさらず
汚れに敏感でして…────
それにしてもお二人とも初めて見るヒーローだ
新人ですか?随分お若い」