第11章 HERO!!!!
サー「まるで劣化グラントリノ
遅いし無意味。
条件が満たされた以上
一秒後でも一分後でも一時間後でも
貴様が何処で何をしているか
私には見えている
ちなみにもう2分もしたら貴様は
印も用紙も持たずにうずくまっている
ずっと不安そうな表情だな
オールマイトならまず最初に教えそうなものなのに
上に立つ人間は迷いや不安を表に出すべきではない
幾度と教えられたであろう心得を
試しの場である今ここで実践できないか。
見れば見る程貴様でなければ
ならない理由が見当たらない」
緑谷「"なれる"と………言って貰いました…!」
サー「有象無象の一人にか」
緑谷「最高のヒーローにです!」
緑谷は 資料の入った棚を上に向かってぶちまけた
条件が満たされた以上僕がどこで何をしているか
"僕がどこで何を"…言い方が引っかかった
ナイトアイは何を見てる?!
「未来の事象」全てか
はたまた「定めた対象」の行動か……確かめる!
もし後者なら無秩序に飛散する物体まで
予知は及ばない!ナイトアイ!
僕だって譲れないんだナイトアイ!!!
緑谷「僕はオールマイトの弟子なんだ!」
思っいっきりサーのもっている印鑑に向かって
手を伸ばす。あとすこしの所でかわされる。
サー「見えるものは変わらん」
緑谷「まだ…!」
盛大に壁に突っ込んだ緑谷は
まだ!と言って顔を上げるが
もう3分経過してしまったようだ。
サー「終わりだ
弟子…?聞いてあきれる
策が何一つ通じなかっただけで何とも無様
気が抜けたか」
緑谷「気が抜けたわけじゃないです」
サー「ならばミスか」
ため息をつき緑谷に呆れた表情を浮かべるサー。
緑谷「オールマイトヒーロー活動
10周年記念の非売品タペストリー
踏むとこでした」
鼻血を出しながら悔しそうな顔の緑谷
その言葉を聞いたサーは周りの壁を見渡した
緑谷の足跡は全てオールマイトのグッズを避けての
攻撃だった。
サー「全て避けながら
グラントリノのように跳ねていたのか」
私の煽りに感情を揺さぶられつつも
周囲の状況と私への対策を考えていた……と
しばらくの沈黙の後
ミリオとバブルガールが扉を開けて入ってくる
ミリオ「終わりました?物凄い音でしたけど」