第10章 HERO!!!
オールマイト「これは君のせいじゃない
君は強い。ただねその強さに私が
かまけていた……抱え込ませてしまった
すまない 君も少年なのに」
オールマイトは爆豪をそっと抱き寄せた
爆豪はオールマイトの優しさに苛立って
その手を跳ね除けた
オールマイト
「長いことヒーローやってて思うんだ
爆豪少年のように勝利を拘るのも
緑谷少年のように困ってる人間を
救けたいと思うのも
どっちが欠けていてもヒーローとして
自分の正義を貫くことは出来ないと
緑谷少年が爆豪少年の力に憧れたように
爆豪少年が緑谷少年の心を畏れたように…
互いに認め合いまっとうに高め合うことが
できれば
救けて勝つ 勝って救ける
最高のヒーローになれるんだ」
爆豪はだまってオールマイトの話を聞いた
そんな事ききてんじゃねえんだよとその場に座った
顔を俯かせたまま
爆豪「いちばん強え人にレール敷いてもらって…
敗けてんなよ」
緑谷「……強くなるよ
君に勝てるよう」
溜息をついた爆豪はオールマイトに
この関係を知ってるのは誰だと聞いた。
オールマイト「リカバリーガールと校長…
生徒では君だけだ。」
爆豪「あんたが隠そうとしてたから
どいつにもいわねぇよ
ここだけの秘密だ」
オールマイトはかっちゃんに話した
巨悪に立ち向かう為
代々受継がれてきた力ということ
その力でNO.1ヒーロー
平和の象徴となったこと
傷を負い限界を迎えていたこと
そして後継を選んだこと。
爆豪「ただ今までとは違ぇデク」
おまえが俺や周りを吸収して──
強くなったように
爆豪「俺も全部俺のモンにして上に行く
"選ばれた"お前よりもな」
緑谷「じゃっ…僕はその上を
行かなきゃ行けないんだ!」
爆豪「だからそのてめェの超えていくっってんだろ」
緑谷「いやだからその上を
行かないといけないって話で…」
爆豪「あ゛あ゛?!!!」
僕とオールマイトの秘密が
3人の秘密に
以前と違って真っ当にライバルっぽくなった
そして────
保健室に担任の相澤と副担任のユキが
待機していたため当然説教が始まった
オールマイトが二人を任せてくれと
出ていったすぐ後
1匹の白ネコが相澤の元へ辿り着いた
「にゃー!」
相澤「?なんだこの猫…」
しゃがんで抱き上げると猫は暴れた
(ちょっと!ヤダ!離してください!)