第10章 HERO!!!
僕自身も想定外のスピード!
常時5%から8%
決して劇的な変化じゃない
しかしそのわずかな差が
かっちゃんを一瞬────
爆豪(追い越したってか)
緑谷のキックをガードした爆豪は
直当てを狙いすぐさま攻撃を仕掛けた
緑谷はその爆破を利用して爆豪から離れた
爆豪(直当てまにあわなかった…!
急にギア上がりやがって。……!!!)
緑谷「こんなもんかよ!」
爆豪「はあああ?!!!」
これはさすがにキモチわるいから
君には言えないままだけど
"救けなきゃ"って気持ちより"勝たなきゃ"って
気持ちが強い時
僕はうっかり口が
悪くなったりしてしまうんだ
そんなことむしろ嫌いな部分のハズなのに
やっぱり僕ん中で"勝利"のイメージが
君になってるんだ。
意味もなく突進したワケじゃない
跳んだわけじゃないパワーアップは
想定外だったけど馬鹿正直な
突進キックでかっちゃんの頭には
シュートスタイルが強く刷り込まれた
君の発散の喧嘩にただ付き合う程
僕はお人好しじゃない!
シュートスタイルは腕を酷使しない為の
戦い方────…
緑谷「使えないとは…言ってない!!!」
勝利の権化!!!
わるいけど君に勝ちたい!!
僕を選んでくれたオールマイトに!!
応えるために!!
蹴りで来ると思っていた爆豪の顔に
緑谷のパンチがめり込んだ
"僕の力"で君を超えるよ
爆豪「敗けるかああああああ!!!」
殴られても尚諦めていない
下に向かって爆発を起こして
緑谷と爆豪は上に舞い上がる
空中で爆豪は緑谷の腕を引っ張り
形勢逆転。
地面に落ちる頃には
緑谷は下で爆豪は上にいた。
どっちもボロボロで…
肩で息をしながら
爆豪「俺の勝ちだ
オールマイトの力…そんな力持っても
自分のモンにしても…オレに敗けてんじゃねえか
なァ 何で敗けとんだ」
緑谷の顔を掴んだ手に力が入る。
オールマイト「そこまでにしよう二人共
悪いが聞かせてもらったよ」
爆豪「オール…」
緑谷「マイト…」
オールマイト「気付いてやれなくてごめん」
爆豪「なんでデクだ。何でこいつだった」
オールマイト「非力で誰よりもヒーローだった
君は強い男だと思った。」
爆豪「俺だって弱ェよ…
あんたみたいな強え奴になろうって
思ってきたのに弱いェから…!!
あんたをそんな姿に!!」