第2章 水色~黒子~
昼休みの終わりを告げるチャイムが聞こえて、私はカウンターを出た。
「昼休み、終わりだから」
だから早く出て、って言いながら、私は美由と黒子くんの背中を、ほとんど無表情で廊下に押し出す。
何か…すごい。
二人に対して、こんな風に無表情でいられるなんて、ある意味、自分に驚きだ。
でも…何なんだろう。
何も感じてないわけじゃないけど、感じてないみたいな、よく分からない、心が麻痺しちゃったような感じ。
黒子くんが何か言いたそうにしたのが分かったけど、私はそっちを見ない。
図書室の鍵を閉めて、職員室に返しに行く。
二人には、一度も振り返らなかった。