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What color?~黒子のバスケ~

第2章 水色~黒子~


「テツくん…なに……」
「僕は桃井さんの彼氏ではありません。中学から今まで、一度も」
「……………っ!」

そんな事実はなかった、と暗に含める僕に、桃井さんが顔色を変えるのが分かりました。

「そんな…の…、わかって……っ」

見開いた目に、涙が溜まっていくのが見えて、桃井さんはまた僕に手を伸ばしてきましたが。

「もう、やめませんか」
「テツくん」
「僕は桃井さんに告白されたわけではありませんが、桃井さんのしていることは、そういう意味のことです。でも、僕は応えることはできません」

だから…と僕が続けようとするのを、桃井さんは顔を歪めて遮りました。

「知ってる! そんなこと分かってたよ! だけど、いつかはそういう風に見てくれるかもって、そう思ってたのに」

それもいけないの?と、声を震わせた桃井さんは、泣いていました。
でも、答えはずっと前から出ていました。
こうしてはっきりさせるのが、遅れてしまっただけで。

「すみません」
「どうして? ちゃんと告らなかったのがいけないの? でも私の気持ち、テツくんは気がついてたでしょ?」
「はい。でも……」
「そ…だよね。告白もされてないのに振るとか、できないよね、普通。テツくん優しいもん。私も、分かっててそうしてたとこ…あったし」

告白する勇気がなかなか出なかったのも本当だけど、敢えて告白しない、うやむやな中で自分に気づいて、振り返ってくれたら。

そして逆に告白してもらえたら。

そんな風に考えていた自分もいたと、桃井さんは淋しそうに笑いました。

「けどそれも、もう終わり…ってこと、なんだね」
「すみません」
「あやまんないでよ。それよりテツくん、好きな子…できたんだね」
「…………」

淋しそうに、切なそうに、無理に笑顔を作っているように見えた桃井さんは、不意に、試合で見せるような洞察力を秘めた目で僕を見ました。

「残念ながら、分かっちゃうんだよね。ねえ、そうなんでしょ?」
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