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What color?~黒子のバスケ~

第2章 水色~黒子~


放課後になると、△△さんの友達は自分達で家に送るからと、△△さんの荷物を手に教室を出て行きました。
もちろん、今日の△△さんに部活なんて無理です。
僕は部活に行く前に、△△さんの様子を見に保健室へ向かいました。

何故か火神くんも一緒に行った保健室では、もう大丈夫だからと部活に出ようとする△△さんとの、ちょっとした攻防戦がありましたが、火神くんと僕、そして△△さんの友達という即席チームvs△△さん…という構図で、しかもまだ本調子ではない△△さんが勝てるはずもなく。

「気をつけて。今日はゆっくり休んでください」
「じゃーな」

僕と火神くんに見送られて、△△さんは渋々(友達に付き添われながら)学校を後にしました。

「早く良くなるといいですが」
「っても、肝心の元凶があれじゃな」
「はい。分かってます」

その後、僕は部活に出てすぐ、カントクに△△さんのことを報告しました。

「分かったわ。それで、様子は?」
「熱が少し。それから、保健室の先生によると寝不足と貧血が一番の原因だろうということでした」
「そう……」

僕の話に頷きながら、カントクは考え込むように眉間を寄せました。

「元気そうに見えても、最近何となくいつもと違うような感じはしてたんだけど……。そのことと何か関係あるのかしら」
「え……」

自問するように呟くカントクに、僕は驚きました。
途端、

「何びっくりしてるのよ。日向くん達だってとっくに気づいてるわ。ただ、一応普通に振る舞ってたし、少なくとも、普通にしようとしてるのが分かったから、こっちから突っ込まなかっただけ」

でもそれが長く続くようなら、いずれ何らかの形でちゃんと話をしようと思っていた、と、カントクはきっぱり言い切りました。

(みんな…気がついてたんですね)

バスケ部に入って、少しずつみんなと打ち解けながら、それでも自分はデータ管理を手伝っているだけの存在なのだと、いつか△△さんは言っていたことがありました。
自分の力は微々たるものなのだと、何処か自嘲でもするように。
だからいつかはもっと役に立てるようになりたいと、前を見て、そう言っていました。
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