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What color?~黒子のバスケ~

第2章 水色~黒子~


火神くんのその台詞に、今まで目を吊り上げていた△△さんの友達は、みんな妙に納得したように周りから引いていきました。

「男なんて、みーんなやらしー奴ばっかだしさ。だから心配しちゃったんじゃん」
「でも、そっか。そうだよね」

勝手に納得して、しかも安心したような顔をして、彼女達はみんな自分の席に戻っていきます。
これはこれで疑いが晴れた…ということなんでしょうけど、何か、納得いきません。

火神くんの台詞の前半はともかく、後半の…最後のところが引っ掛かりまくりです。

『黒子だぜ?』

僕だったら何だって言うんですか、火神くん。
僕なら、そんな心配はないってことですか。
それで納得する女子も、どうかと思います(そのお陰で助かったと言えなくもないですが)。

僕は自分の席に戻る途中、机に足を乗せたままの火神くんの椅子を軽く蹴飛ばしました。
椅子に浅く腰掛けていた火神くんは、バランスを崩して落ちそうになりましたが、

「どわっ!? っぶねーな、てめっ!」

持ち前の運動神経で体勢を立て直しながら、通り過ぎる僕を睨みつけました。
でも。

「足が飛び出してて邪魔です」

身体の大きな火神くんが机に足を投げ出せば、当然はみ出します。
つまり、通行の邪魔です。
ごく当たり前の正論だけを口にして、僕はそのまま席に戻りました。

△△さんの友達に囲まれた時は火神くんの言葉のお陰で抜け出せましたし、最後の台詞も、恐らく火神くんのことなので他意はないだろうと分かりますが。

(でも、イラッとしました)

それでつい手…ではなく、足が出てしまいました。
いつもはこの程度のことなんて、簡単に流せるのに。
やっぱり△△さんが絡むと、僕は駄目みたいです。

(△△さん、本当に大丈夫でしょうか)

あのまま、体調が良くなると良いですが……。

そんな僕の気持ちとは関係なく、午後の授業は進み、結局△△さんは教室に戻ってくることはありませんでした。
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