• テキストサイズ

What color?~黒子のバスケ~

第2章 水色~黒子~


眠っている△△さんを見ると、さっきより顔色が良くなって、苦しそうな雰囲気も消えていて、僕は少し安心しました。

「ゆっくり休んでください」

無意識に呟いた僕は、気がつくと△△さんの頭に触れるように手を伸ばしていて。

「……っ!」

僕は何をしているんでしょうか。
△△さんは、意識がないのに。
でも、あとほんの少しで触れる手を、僕は止められませんでした。

(こんなこと…良くない、ですよね)

そう思う一方で、僕は△△さんを起こしてしまわないように、そっと△△さんの髪を撫でるように手を滑らせました。

触れた頭が小さくて、今まで知らなかったそのことに(触ったことがないので当然といえばそうですが)、少し驚きました。

そういえば、いつか図書室で△△さんのすぐ傍に近づいた時にも、自分よりも小さくて華奢な△△さんに、やっぱり同じように感じたことがありました。

「△△さん…僕は……」

守りたいと思いながら傍観するばかりだった、この数日。
でもその間に、彼女…石嶺美由について分かったこともありました。

△△さんと彼女は同じ中学出身。
僕は△△さんと同じ帝光中出身、ということは、僕達は三人とも同じ中学の出身ということになります。

同じ中学出身というのは、異なる学校の出身よりも、色々と調べやすいことも多いものです。
そして、僕はそこで一つのキーワードを見つけました。

△△さんと石嶺さん。
二人は中学時代、共に帝光中の女子バスケ部に所属していた……。

そしてそこで起こったことも、僕が帝光中のバスケ部時代、3軍で一緒だった元仲間から知ることができました。

あの頃、誰もが1軍を目指して練習に励む中、佐伯くん(だったと思います)という名の彼は、いつまでも3軍の自分を何とも思わず、彼女を作ることに熱心でした。

僕は佐伯くんと親しくはありませんでしたが、女子バスケ部の彼女ができたと触れ回っていたのを覚えています。

(帝光中の女子バスケ部の彼女……)

それはつまり、△△さんと同じ部に所属していたということになります。
△△さんのプライベードを調べるようで気が引けましたが、彼女がこれ以上△△さんに付き纏うのは放置できません。
/ 278ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp