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What color?~黒子のバスケ~

第2章 水色~黒子~


僕は咄嗟に、そんなことは…と、返しましたが、実は結構、気にしている自分に気がつきました。
外周に出るのは初めてではないし、△△さんが一人で留守番に残るのも、これが初めてというわけではありません。

でも、いつも何となく、気にはしていました。
そして、今日は特に……。

どうしてかは、自分でもよく分かりませんが。
何となく、いつもより気になる感じがして、僕はみんなに続いて校門を出ながら、引かれるように体育館を振り返りました。

その時…でした。

「………?」

誰かが、体育館に入っていくのが見えたのは。

一瞬でしたが、この学校の制服を着た、女子生徒が一人。
それだけは見て取れました。

「…………」

何か…引っ掛かります。
そう思った矢先、二号の鳴き声が聞こえてきました。

普段、二号がこんな風に激しく吠えることは、まずありません。
立ち止まる僕に、他のみんなも振り返りました。

「あれ、二号だよな」
「ああ」

二号があんな風に騒ぐなんて、普通じゃない。
それはみんなが知っていることです。

「様子を見てきます」

戻ろうとする僕と目が合ったカントクは、その場で頷きました。

「分かった。任せるわね」
「はい。後から追いかけますから」

みなさんは先に行ってください、と言い終わる間もなく、僕は体育館に踵を返していました。

体育館は目の前。
近づくほど、二号の声が更に大きく聞こえてきます。

ドアが開いたままの体育館に踏み込むと、舞台の上に立ち上がっている△△さんと、その傍で今も吠え続ける二号、そして、△△さんに背を向けてこちら(出口)に向かってくる、見覚えのない女子生徒が視界に飛び込んできました。
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