第2章 水色~黒子~
ほとんど条件反射で頷きながら、私は外に向かうみんなに声を掛けた。
「いってらっしゃい!」
みんなが外周に出る時、留守番になる私はいつもそうやって見送ることにしてる。
ただ無言で見てるのもなーって思って、何となく言うようになっただけなんだけど、今ではみんなが軽く手を振ってくれるようになった。
ささやかかもしれないけど、こういうの、何か…嬉しいな……。
誰もいなくなった体育館は、がらん、としてて、ちょっと淋しくて。
それに今日は何だか、いつもと違うことがあったりもしたけど(黒子くんとか、カントクとの会話…とか)。
「大丈夫、大丈夫」
なんて、わざと声に出してみながら、私は改めてパソコンに向かった。
そのすぐ後、二号が怒ったように騒ぎ出して、そこに現れた『彼女』に、私が気づくまで……。
「久し振り、○○」