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What color?~黒子のバスケ~

第2章 水色~黒子~


初対面で『信頼できる』とか、ないでしょ普通。
そう言ったら先輩は。

「黒子くんよ」
「え?」

急に彼の名前を口にした。

「黒子くんがね、あなたは信頼できる人って言ってたの。勧誘して、もしあなたが拒否したら、その時は潔く諦めてくださいって、本当は黒子くんに言われてたんだけどね」
「くろこ…くん?」
「そ! だからあなたを連れてったら、黒子くん、きっと怒るだろうなあ」
「黒子くんが、怒るんですか?」

そんなの、そういえば見たことない。
って、あれ、いつの間にか私、先輩と普通に喋ってるかも。
初めは強引なことしてきて、頭にきてたのに。

今は普通に喋って、話を聞いてる私。
そんな私に、こっちは最初からだったけど、言いたいことを口にする先輩は、やっぱりそのまま話を続けた。

「私も火神くんみたいに分かりやすく怒り狂う黒子くん…なんて、見たことないけど。でも、穏やかそうに見えて、結構熱いとこもあるみたいよ、黒子くん」
「………」

私は、何度も目を瞬いてしまった。
何か、ちょっと想像つかなかったせいもあるけど。

「黒子くんは…なんで……」
「え?」
「何で、私を信頼できるなんて、言ったのかな……」

それは私の…多分、独り言。

でも不思議だった。
『信頼』なんて言ってもらえるほど、私は別に、何もしてないのに。

それなのに…って、つい音になっちゃった声に、だけど先輩が、さっきまでとは違った、何だかすごく優しい表情で答えてくれた。

「黒子くん、あなたと一緒に委員をしてるんでしょ? 同じクラスにいて、一緒に委員もして、そうやって接する中で、黒子くんはあなたを信用できる人って、判断したんじゃない? 多分ね」

そして、そこまで言ってから、先輩はまた、さっきまでの強気で明るい顔つきに戻った。

「で、私は黒子くんの観察眼を信用してるわけ。その上、昨日は自分の目でもあなたを見せてもらったし。だから、お願い! 力を貸して!」
「ち、力って……」

データ管理の為だけに、そこまで言われても……。
っていうのが、私の正直なところだったんだけど。
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