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What color?~黒子のバスケ~

第2章 水色~黒子~


「彼女は男子バスケ部で監督とマネージャーを兼務している2年の相田だ。実は生徒会の副会長もしているんだが……」

『生徒会』……。
その言葉で、私は思い出した。

そうだ。この先生、そういえば生徒会担当だった。
で、この『相田先輩』は生徒会副会長。
これって、もしかして……。

(職権乱用?)

黒子くんでも火神くん(だったよね?)でも、私が言うとおりにならなかったから、今度は私のクラス担任で、生徒会担当の先生まで使ったって…こと?

(まさか、そーゆーこと?)

でもそんなことしてまで私をどうこうする理由なんて、全然思い浮かばないんだけど。

(私…凡人だし)

特に取り柄があるわけでもないのに、これってどういうことなんだろう?

それとも言うとおりにならないから、ムキになってる…とか?
って、そんなわけないよね。
バスケ部って結構強いって聞いてるし。
そんなことしてる暇なんか……。

なんて、いつの間にか私はぐるぐる考え込んじゃったんだけど。
そしたら。

「えーっと、多分、今あなたが考えてるの、ぜーんぶ違うから」

にーっこり、と笑って見える(でも何か企んでるみたいに見えたのは私だけ?)先輩は、その笑顔のまま、ずい、と私の前に近づいた。

「っ!」

途端に後ろに下がった私に、先輩は手をひらひらさせて。

「びっくりさせてごめんね。黒子くんにも怒られちゃったんだけど。どーしても、あなたが欲しかったの!」
「……はあ」

そこまで言われても、やっぱりわけが分からなかったけど(当たり前だよね)。
ぽかん、としたままの私に、先輩は、さすが監督でマネージャーで副会長!だからかは知らないけど、分かりやすく説明してくれた。

最初はただ、データ管理を任せられる人材が欲しかっただけだったこと。

そんな時に偶然、私のことを知ったこと(これは黒子くんからも聞いたけど)。

そこで、同じクラスの黒子くんに私を勧誘するように言ったものの、黒子くんは何だか乗り気じゃなさそうだったから、火神くんにも同じことを指示したこと。

そして…私に断られたこと。

そこまで話して、先輩はちょっと苦笑したみたいだった。
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