第2章 水色~黒子~
-○○side-
あれから二日後の放課後、私は体育館にいた。
どうしてこんなところにいるか…というと。
「来てくれて嬉しいわ。よろしく!」
「……相田先輩」
「カントクで良いって! あ、女の子同士だし、リコ先輩とかでも良いかも!」
テンション低い私に反して、やたら元気なこの人…黒子くんが言っていた、男子バスケ部の監督兼マネージャーという、全部この人のせいだったりする(っていっても私が自分で決めたことなんだけど)。
何がどうしてこうなったか、っていうと、ちょっと話は遡る。
昨日の放課後、何処の部にも入っていない私は、またしてもそのことで担任に捕まっていた。
入学してから半年近く経ってるのに…って、半分お説教モードに突入するのは、もう何度目だったろう。
でも特に入りたいとこもないし…って言って、もう半年過ぎてるし。
私と同じで何処にも入ってなかった友達も、最近はみんなどっかに入部しちゃったし。
(そういえば、サッカー部の男子が格好良いって、マネージャーになった子もいたっけ)
マネージャーとか大変そうだなあ、なんて、他人事みたいにその時の私は考えてたのに。
「是非お前の力が欲しいという部があるんだ」
「……はい?」
何が何だか。
いきなりそんなことを言い出した先生に、私は固まった。
(急に何? 私が必要な部…?って、何のこと?)
全然ワケが分からない。
「どうだ?」
なんて聞かれたって。
(え? 今答えろってこと!?)
何言ってくれてんの、この先生は!
って思ったその時、これまたいきなり、先生が『ある先輩』を紹介してきたことで、謎が解けた。