第2章 水色~黒子~
放課後、友達と一緒に帰ろうとしていた時、『それ』は来た。
「おい、お前。ちょっとツラ貸せ」
「………っ!?」
赤っぽい髪に、傍で見上げたら首が痛くなっちゃいそうなくらい背が高い男子…がそこにいて。
思わず、
(ダレ…デスカ)
って、咄嗟に口にできなかった言葉を心の中でぶつぶつ呟きながら、私がじりじり後ろに下がっていると、
「ちょっと、火神くん、何してんの!」
「○○、こっち!」
待っててくれた友達が、こっちこっち、と手を引いてくれた。
私はそのまま彼女達の傍に行ったんだけど。
「カントク命令なんだよ」
面倒そうに響いた言葉に、そのまま教室を出ようとしていた私は、思わず振り返ってしまった。
だって、また出た…『カントク』って台詞。
しかも黒子くんじゃない、この…知らない人から……。
でも、それって……。
(この人もバスケ部ってことなのかな)
だけどそんなこと、私には関係ない。
黒子くんが話があるっていうから、あの時は聞いたけど。
全然知らない人の言うことなんて、聞く理由ないし。
「大丈夫?」
気にしてくれる友達に、私は頷いた。