第3章 青色~青峰~
IH直前はともかく、それが終わった今となっちゃ、また元通りの生活ってやつだ。
ただ…一つだけいつもと違うことといえば、夏休みの間はあいつの…△△の顔が見れないってことか。
学校なんざ面倒なだけだが、あそこに行けば△△がいる…って、何考えてんだ、俺。
暑さでやられちまったのか、ったく……。
けど…マジ、顔見てねえな……。
あの方向ド音痴。
こういう時こそ、そこら辺に落ちてりゃ良いのによ。
なんて、さすがにそりゃありえないだろって突っ込みたくなるようなことを考えた俺は、その数日後、新しくできた総合施設とかいう場所にいた。
プレオープンに招待ってのが一応の名目らしいが、プレオープンセレモニーとやらで、俺と同じく招待されたメンツを見りゃ、単なる『ご招待』じゃないってのは、すぐに分かったぜ。
ご丁寧に学校ごとに整列させられて、その顔触れがどいつもこいつも、IHで見た連中とくればな……。
こいつはただじゃ終わりそうにねえ。
すぐ傍の列には、テツや火神の奴もいる。
予選じゃがっかりさせられたもんだが、今度はもうちょっと楽しませてもらいたいもんだ。
プレオープンセレモニーとかいうやつにはすぐに飽きちまったが、早い話が、三日間ここを自由に使わせて、その最終日に他校と軽く試合をして締める、ってことらしい。
プールにジャグジー、スポーツジム。
他にもいろいろ揃ってるらしいっつーここで俺らに体験させるってのが、目的だそうだ。
スポーツの有名校を集めてのデモンストレーション…つか、それで客寄せでもする気かどうかは知らねえが、まあ見たところ、最新設備が充実してるのは確かみたいだな。
あちこちにフリーコートがあって(もちろんバスケのゴール付きだ)、ボールがあれば、いつでもやれる環境が揃ってる。
これで面白い相手でもいりゃ、文句ナシなんだがな。
邪魔な荷物は……。
「あ、すみません!青峰くんのも、持っていきます!」
全員分の荷物を謝りながら回収するあいつに任せて終了。
俺はそのまま中をウロついてみることにした。