第2章 水色~黒子~
基本的に、この学校の生徒は何処かの部活に所属するよう指導されます。
それでも一年生の中には、まだ所属先を決めていない生徒も結構いて、先生も多少は黙認してくれるようですが。
でも、それが許されるのも最初だけで、いずれは何処かに入部するようしつこく言われるという噂…というより、これは△△さんから
実際に聞いた話です。
『最近は毎日のようにどっかに入れって言われるんだよね』
『入りたいところはないんですか?』
『んー、特にはない…かなあ』
これと思えるものがないから逆に困っている、と、△△さんは言っていました。
最終的には適当に決めてしまうしかないのかも…とも。
新設校のせいか、部活や委員、生徒会といったものに、学校は力を入れているようで、二年生になる前にはほぼ全員が、何かしらの部に所属しているのが現状です(カントクも言ってましたが)。
「データの入力…ですか」
何となく口にした僕の中に、また△△さんが浮かびました。
そういえば、図書室でデータ入力する△△さんを何度か見ましたが……。
(正確で、速さもありました)
選択授業でパソコンを取っているという△△さんは、
『こういう作業、実は結構好きなんだ。だからってメカに強いわけでもないんだけどね』
そう言って、笑っていました。
選択を取らなくてもパソコンの授業はありますが、選択すれば更に多くを学ぶことができる上に、技能に合わせて資格を取ることもできるのだと、△△さんは話していました。