第2章 水色~黒子~
「それは初耳です」
思ったまま口にすると、カントクは。
「当たり前でしょ。君はスタメンの一人なんだから。入力より他にやることがあるでしょ」
だから雑務を頼むにしても、それは控えの誰か(基本的に一年生)に頼むことにしている、とは、カントクの弁でした。
なるほど、やっぱり色々考えてくれているみたいです。
納得して頷く僕に、カントクは唐突に声を上げました。
「そうだ、黒子くん!」
「は、はい?」
嫌な予感がします。
さっきカントクに見つかった瞬間に感じたのと、同じ感覚です。
つい警戒してしまった僕ですが、カントクはそれには気づかないようで(というより気にしてないだけかもしれませんが)。
「一年生の中に、やってくれそうな子いないかな」
「え?」
それを僕に探せと……?
まさか、そう言われているんでしょうか。
そんな僕にお構いなしで、カントクは腕を組んで考え込んでいました。
「二年はほとんどみんな部活に入ってるのよね。だからさすがに頼めなくって。でも一年生の中には、まだ部活に入ってない子もいるみたいじゃない?」
「はあ……」
適当に相槌を打つ僕の脳裏には、すぐに△△さんが浮かびました。