第3章 青色~青峰~
元々、そんなに詳しく知っていることではないとはいえ、○○ちゃんの過去を…しかも苛めがあったなんて、とても個人的なことを、僕は本人の了解もなしに青峰くんに話してしまいました。
それをちゃんと謝らなければと、そのつもりで何年か振りにあんな真似をして、○○ちゃんと話したりもしたのに。
それなのに、一番肝心なことを言えずに終わってしまったなんて。
「バカですか、僕は」
というより、バカです。
本当に、僕は何をしているんでしょうか。
でも○○ちゃんと、こんな風に久し振りに話したら、何だか……。
(何なんだろう、本当に……)
分からない。
自分でもよく、分からないですが。
嬉しくて、楽しくて。
でもこれは昔から変わらないはずなのに。
でも、何か…何かが違う感じです。
面と向かって、こんな風にちゃんと話したのは考えてみたらとても久し振りで。
目の前にした○○ちゃんは、前より大人びていて…女の子で……。
「○○ちゃんが女の子なのは、最初からじゃないですか」
考えるほど、何だか今日の僕は本当にバカです。
膝を抱えて、僕はそれからも、しばらくそこから動くことができませんでした。