第3章 青色~青峰~
「なら、良いんですけど」
「本当に大丈夫だよ。同じ高校って言ったって、クラスも違うし、ほとんど顔合わせることもないんだよ?黒ちゃん、気にしすぎ」
そう言って笑った私だけど、でもきっと、そうやって心配させちゃってるのは、私のせい…なんだよね、多分。
黒ちゃんは元々鋭いとこがあるし、私とは幼馴染みなせいで、私の変化とかにも気が付きやすかったりするんだろうな。
でも、もうお互い高校生だし。
それに、黒ちゃんにはIH予選って大事な時期だ。
幼馴染みで、色々気にしくれるのはすごく嬉しいけど、今は黒ちゃん自身のことを優先してほしかった。
「私なら本当に平気だからさ。黒ちゃんは、もっと自分のことを考えなきゃ」
「自分…ですか?」
「IH予選でしょ」
それも、もうじき始まる。
最終予選トーナメントだ。
バスケから離れちゃった私だって、それくらい知ってる。
っていうか、大体が黒ちゃんからの情報だったりするんだけど(っていっても別にそんなにしょっちゅうメールとかしてるわけじゃないけど)。
それに多分…だけど、今の黒ちゃんには彼女はいないらしい。
だって、もしいたら幼馴染みなんかより、彼女優先になるのは当たり前だし。
けど、そういう雰囲気が全然ないってことは、やっぱ今のとこはいないってこと…なのかな、なんて勝手に思ってる。
まあ、そういう私も全然…なんだけど。
そもそも同性の友達はともかく、男友達っていうのすら、私…そういえばいないし。
だから黒ちゃんとの会話とかって、何だか新鮮だったりもする。
幼馴染みでもあるけど、黒ちゃんは今のところ、私の唯一の男の子の友達だから。
友達で幼馴染みで。
覚えてないけど、ほとんど赤ちゃんの時から、兄妹みたいに育った。
だから黒ちゃんが心配してくれるのと同じように、私だって、黒ちゃんのこと、心配なんだよ。
お互い大きくなって、何でも喋れるわけじゃ、なくなっちゃってるかもしれないけどさ。
「予選リーグ頑張ってね。応援行くから」
「○○ちゃんが?」
「え、何その反応?」
「だって、初戦は桐皇なんですよ」
桐皇は○○ちゃんの高校ですよね、なんて確認されなくたってその通りだけど。
「そりゃ、まあ、自分行ってる高校だけどさ。私、バスケ部の人全然知らないし、まあ、唯一知ってるのは…あれだし」