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What color?~黒子のバスケ~

第3章 青色~青峰~


自分の言った言葉がむず痒くって…っつーより、何か顔が熱くなってんのが分かる。
そんな自分がバレんのが嫌で、俺は無意識の内に早足になっちまった。
いつもなら、そのまま俺は先に行っちまってただろう。
けどよ。

俺は立ち止まって振り返りながら、いつの間にか開いちまってた距離を詰める為に元来た道を戻って、△△の前に立った。

「ほら、行くぞ」

っつってんのに。
コートを出たとこから動かない△△は、

「じゃ、またな、○○ちゃん、黒子くん。で、ついでに、大!」

誰がついでだって?
とは思ったが、とりあえずスルー…な俺とは対照的に、

「失礼します」

テツは相変わらずの丁寧さ…はまだ良いとして。
問題はこいつだ。△△。

「今日はありがとうございました。それから私『彼女』なんかじゃないですからー!」

手ぇ振ってあいつ(冴木)と別れるのはどうでも良いが、わざわざ訂正すんじゃねーよ!
んなこと、口にした俺がよく分かってるってんだよ。

ったく……。
今日は妙なことばっかしだぜ。

△△とバスケするなんて、想像もしなかったしな。
けど、だからって、こいつが俺と普通に喋るように…なんて当たり前だが、あるわけねえ。

コートを出てからの帰り道、結局、俺と△△が直接話すことはなかった。
つか、

「○○ちゃん、シュートフォーム綺麗でしたよ」
「え、そうかな。もう全然やってなかったから、どうかと思ったけど」

なんて、テツの野郎が△△と盛り上がりやがってよ。
そうこうしてる内に、△△の家はもうすぐそこってとこに来ちまって。
そこで初めて、△△が自分から俺に振り返った。

「青峰くん家、道違うんじゃないの」
「…ああ、まあな」

テツと△△の家は背中合わせ。
けど俺の家は、そうじゃねえ。
俺の家なら、とっくに通り過ぎた角を曲がった先だ。

けど俺は、んなこと無視してここまでついてきた…ってより、△△を送るつもりで来た。
テツがいるから問題ねえとか、そういうことじゃねえんだよ、この場合。

△△が女だから送るとかって話とは別に、俺がそうしたくて、ここまで来ただけだ(てか、テツに任せたくなかったってのが正直なとこか)。
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