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What color?~黒子のバスケ~

第3章 青色~青峰~


「できるじゃねーか」

そう言って、俺は。

ぺちっ。

「たっ!」

デコピンした(もちろん軽く)。

△△は顔を膨らませて怒ってやがったが、いつもみたいな、俺と距離を置くような気配は見せなかった。
それはまあ、良いっちゃ良いかもしれねーけど。
代わりに。

「アホミネのくせに……」

ぼそ、って言ったつもりだろうが、俺にははっきり聞こえたぜ。

「今なんつった?つか、どっから、んなくだらねー名前を……」

誰だ?こいつにこんなもん教えやがったのは!?

「教えないもん!」
「んだと?」
「あ、きた」
「ちっ!」

所詮遊びで、しかも結局俺と△△の圧勝だったが、こんなお遊びを俺が楽しんだなんて、△△がいたからか?

にしてもこいつ、やっぱ、基本的な動きはちゃんとできてたな。
中学の途中でバスケをやめたとはいえ、基礎は残ってるってことか。

ワンハンドにこだわらなきゃ、シュートもそこそこ入ってたし。
けど、そうこうしてる内に薄暗くなってきちまって、遊びもそこでお開きになった。

別れ際、冴木の野郎はまた何か△△に話しかけてやがったが、俺はそれを引っぺがした。

「帰んぞ」
「ちょっと、失礼でしょ!」

まだ途中だの何だのって、キャンキャン吠える△△の首根っこを引っ掴んで連行する。
テツも苦笑いしてやがったが、邪魔しないとこ見ると、やっぱ考えは同じってとこだろ。

そのままコートを出てく俺達に向かって、けど最後に、

「彼女が大事なのは分かるけど、そんな過保護にしてると、嫌われちゃうぞー」

ふざけた台詞が飛んできて、俺は振り返り様にヤツを睨みつけた。

(何ふざけたこと言ってんだ、こいつ!)

そうは思っても、俺はもう、あの時のガキじゃねえ。
図星さされたのが嫌で、本音と真逆口走ったりは、もう…しねえ。
俺はもう、間違わねえって決めたんだ。
だから……。

「だったら何だ。あんたに関係ねーだろ」

そう言って、俺は今度こそコートを出た。
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