第3章 青色~青峰~
んじゃ、テツと△△…てのも、ってわけで、出来上がったのが、冴木&テツと俺&△△ペア。
横見りゃ、△△の奴は思いっきり不満そうにしてやがるが、
「何だよ、文句あんのか」
「別に」
「別にってツラじゃねーっだろが」
「こういう顔なの」
「そうかよ」
「そうなんです!」
ああ言えばこう言う。
こいつのこういうとこも面白くて気に入ってたもんだが、こう刺々しいとさすがに…とか考えながら、結構面白がってる自分がいて、俺は自分にげんなりした。
こいつからの反応があるだけで面白いとか、ダメだろ、俺。
かなり末期な気がするぜ、色々と。
だが、まあ、今は…あれだ。
「とにかく、やんだろ。バスケ」
「…うん」
例え俺と組んでも、バスケすんのは嫌がらねえんだな、こいつ。
俺とのペアに複雑そうにしてるのを見下ろしながら、俺は、ふと感じて、くっ、と喉の奥で笑った。
だってよ、考えてみたらおかしいったらないぜ。
こんな妙で面倒な状況、いつもの俺なら相手が誰だろうととっくに投げてる。
なのに、たった一人の例外が、△△…ってことらしい。
無自覚だったが、いや、本当は結構前から自覚してた気もする。
ガキの頃以来、離れちまってたってだけで、△△はずっと俺の例外だったわけか。
ま、当のこいつにとっての俺は…考えるまでもねーが。
(まあ、良いさ)
よく分かんねえまんま始まっちまったが。
まずは相手ボールでスタートだ。
最初のドリブルは…冴木か。
「行くぜ」
言い終わらないうちに俺は駆け出して、冴木からボールを奪った。
お遊びなんて分かってるし、当たり前だが手だって抜いてる。
けどよ、やっぱボール渡しとくのはダメだろ、当然。
テツにパスさせる間も与えずに奪ったボールを、俺はそのままドリブルで切り込んで、ダンクをぶちかました。
途端、遊びなのにとか、おとなげねえとか、そういう視線がチクチク背中に刺さってきやがる。
発信源はもちろん△△って、分かってんだよ。
けど、やりたかったんだから、しょーがねーだろ。
つか、こいつの目の前でやりたかったんだよ……ダンク。