第3章 青色~青峰~
黒ちゃんにとっては、元…とはいえ、一度は相棒だった相手だし。
火神くんは…青峰くん睨みつけてるけど。
とにかくどうなんだろ、この感じ。
私も居心地悪いし…って見てみれば、あんなにあった火神くんのチーズバーガーもほとんど完食状態で、黒ちゃんもシェイク飲み干しちゃってる。
私も、あとちょっとで飲み終わるから……。
(帰れば良いんだ)
本当はもっとこうして話してたかったけど、もうそういう雰囲気じゃなくなってるし。
ここは帰るしかない…よね。
大体、青峰くん、何でわざわざこっちの店まで来たか知らないけど(マジバなら帰り道の途中にだってあるのに)。
そういえば、さっき黒ちゃんにも同じこと突っ込まれて、『たまたまだ』とかわけ分かんないこと言ってたっけ。
何なのかな、こっちって誠凛に行く途中の道だし、もしかして黒ちゃんとか火神くんに会いに来たとかなのかな。
だったら猶更、私はいない方が良さそうかも。
そう思った私は黒ちゃん達の分もトレーにまとめて立ち上がった。
私の動きにすぐ気が付いてくれた黒ちゃんは(こういうとこ、本当に昔から変わんないなあ)、自分がやるって言ってくれるけど、
「ありがと、でも大丈夫」
そう言いながら、私は心の中で黒ちゃんに謝った。
(ごめんね、黒ちゃん。ちょっとここから離れたいんだ)
座席から離れる私の後ろで、三人がどうしてるかは知らない。
けど戻ってすぐ、
「そうですね。それじゃあ」
「うん」
「帰ろっか」「帰りましょうか」
偶然重なった黒ちゃんと同じ台詞に笑いながら、私達は店を出た。
火神くんは逆方向だから、店の前でお別れ。
私と黒ちゃんはご近所…っていうより、家が背中合わせだったりするから、帰り道も一緒。
で、青峰くんも、同じ方角だったりするから…同じ道……。
これまた何だか微妙な空気セカンド、なんていらないのに!
黒ちゃんは割と青峰くんと普通に喋れてるみたいだけど…私はやっぱり、ちょっと……。
昔とか関係なく、青峰くんとの話題なんて、見つかりっこないよ。