第3章 青色~青峰~
だからかな。
こうして火神くんに会ってみて、黒ちゃんとの掛け合い(?)も目の前にしてると、本当に良かったな、って、改めて思う。
仲も良さそう…だし?
「火神くん、またチーズバーガーですか。しかも何個ですか、それ」
「たったの10個だ。控えめだろーが。そっちこそ何だ、まーたシェイクかよ?ったく、んなもんばっかでよ、何処が美味いんだか」
何か言い合いしてるけど、仲良し…っぽいよ、うん。
言いたいこと言い合ってるし。
しかも適度に私にも話しかけてくれたり、桐皇のこと(もちろんバスケ以外のことで)聞いてくれたりして、私も話しやすい。
初対面なせいか、最初はつい敬語になっちゃってた私に『普通で良いぜ』って、笑ってくれたのは火神くんだった。
良い人だな、って、それだけで思っちゃう私は単純なのかな?
けど、あれだよね。
シェイクに関しては、私は黒ちゃんの味方をしてみたりして。
「シェイクは美味しいよ?ね、黒ちゃん」
「はい、もちろんです」
「おっ、何だ二人して」
と、ここまでは黒ちゃんと共同戦線なんだけど。
「やっぱりバニラシェイクが一番です」
これにはちょっと。
「えー?」
私が飲んでる、そして一押しはチョコシェイクなのだ。
バニラとチョコの戦い(?)。
実はこれ、今に始まったことじゃない。
で、今日もやっぱり始まっちゃって、けどそれを初めて見る火神くんは何だか固まってる(ごめんね、火神くん)。
チョコだ、バニラだ、って二人で言い合って、それなら…って行き着くのも、ちょっとお約束、かなあ?
「そんなに言うなら、はい、飲んでみてよ」
「こっちこそ、どうぞ」
お互いのを交換して一口。
でもやっぱり自分の方(私はもちろんチョコシェイク)が美味しい、とは思うけど、
「バニラも美味しい」
「チョコももいけます」
そうやって敵(?)を認めつつ、でもやっぱり自分のベストは変わらない。
久しぶりなこんなやり取りも懐かしくて面白くて、いつの間にか二人で吹き出しちゃうと、
「俺は無視かっ!」
火神くんがチーズバーガーを頬張った。