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What color?~黒子のバスケ~

第3章 青色~青峰~


けど、そこまでして火神くんと私を引き合わせる必要はないと思うんだけど……。

当たり前に感じた疑問をぶつける私に、火神くんも『同感』て頷いた。

初めて会う人だけど、この人は何だか大丈夫そうだな、っていうのは、こっそり感じた私の第一印象。

人見知りが出ちゃったらどうしようって、黒ちゃんを信用はしてたけど、心の何処かでやっぱり心配だったから。

だってせっかく黒ちゃんが自分の友達を紹介してくれるのに、私が勝手な人見知りで引いちゃったりしたら失礼だし。

だけど、全然大丈夫だった。
黒ちゃんの目は、やっぱり確かみたい。
というか、その辺もやっぱりちゃんと考えてくれてた…のかな。
だとしたらすごいな、黒ちゃん。

それに、紹介の仕方からして面白かったしね(された本人は怒ってたけど)。

「○○ちゃん、彼がメールにも書いたバカガミくんです」
「………え?」
「おい」

それってどういう紹介なの、黒ちゃん?
うっかり吹き出しそうになった私だけど、紹介された張本人は…ほら、青筋立てて怒ってるよ?黒ちゃん?

最初からこれって、どうすんの?って苦笑いする私に、だけど黒ちゃんは、しれっと。

「間違えました。本名は火神くんです」
「本名ってなんだ、おい!」
「黙っててください。火神くん。初対面の女の子を怖がらせないでください」
「ぐっ」
「それで火神くん、こちらが△△さん。以前お話した僕の幼馴染みです」

この二人、やり取りが面白い。
学校でも、いつもこんななのかな。
それってちょっと見てみたいかも、って思ったのはもちろん言わなかったけど。

けど、どうして黒ちゃんが私に火神くんを紹介しようと思ったのか、やっぱり分からない。

高校が違っても、こうして前みたいに会ったりできるのはすごく嬉しいけど。
やっぱり、分かんないなあ…って感じた私は、わざと言ってみた。

「良いの?私、桐皇だよ?」

だけど黒ちゃんは、にっこり笑っただけだった。

「教えたのは僕ですし。その情報を手に入れた○○ちゃんが誰に話したとしても、それは○○ちゃんの自由ですよ」

そう答えた黒ちゃんの顔は、すごく穏やかだった。
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