第3章 青色~青峰~
そんな幼馴染みの黒ちゃんとは、やっぱり直接会うことは減ったけど、時々メールはしてる。
だから今日メールが来た時も、最初は特別驚いたとかはなかったんだけど、その内容には、ちょっとびっくりした。
黒ちゃんに会うのは、高校に入ってからは初めて。
中学の卒業前に、お互いに高校の制服姿を見せあって写メ撮ったのが、そういえば最後だった。
そう考えたら何だか嬉しくて、
『火神くんというバスケ部の同級生も一緒なんですが、大丈夫ですか?』
なんて、人見知りな私を知ってる黒ちゃんはわざわざメールで心配してくれたけど、何でか全然、気にならなかった。
会って色々話したいなって、そっちの気持ちの方が大きかったし、火神くんて人も、黒ちゃんが私に会わせても大丈夫って(多分)判断した人だろうし、なんて思っちゃってる私は、全面的に黒ちゃんを信用してるかもしれない。
私も黒ちゃんに同じようにできれば良いんだけど、これが何ていうか、私は黒ちゃんに比べて観察力もないし、勘も働かなかったりするし。
だから黒ちゃんからしたら、私は全然役に立ってないというか、そういう感じなのかなあ、って何となくこぼしちゃった時には、珍しく怒られたっけ。
『僕達は、そういう利害関係なわけですか?』
怒ってたのに、何処か哀しそうな顔させちゃった方のが、私にはキツかった。
友達とか仲間とか、それから幼馴染みとか。
心を許せる相手がいてくれることは、それだけでとても気持ちが休まるし、勇気づけられるものなんですよ、って、黒ちゃんは言ってくれたから。
だから…中学のバスケ部ではちょっと…かなり嫌な思いもしたし、先輩に嫌がらせされてる私を見て見ぬ振りしてた友達に絶望して、一時は『友達なんていらない』って、思ったりした時も、それでも最後には、私は私なりのやり方で、できることをしていこうって考え直せたのは、黒ちゃんのお陰なんだよ。
いつも一生懸命な黒ちゃんを見てたから、そう思えるようになれたんだもん。
黒ちゃんは…知らないことだけどね(だってあの頃の黒ちゃんはバスケ部の練習で毎日大変そうだったし、私も…先輩から嫌がらせ受けてる、なんて、言えなかったし、言いたくなかったから)。