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What color?~黒子のバスケ~

第3章 青色~青峰~


俺を見上げたままのテツを見返した短い間に、俺はらしくもなく、そんなことをぼんやり考えた。
にしても、こいつが△△と幼馴染みだったとはな。
いや…待てよ。
そういや。

『私もね、幼馴染みがいるんだよ!』

昔、俺が幼馴染(さつき)のことを話したことがあった。
そん時、△△は確かそう言ってた。
どうでも良いって思ったことは、すぐ忘れちまう俺だけど、△△が言ったことは大概のことは覚えてる。

それが…どんなに昔でも。
けど、名前は…言ってなかったな。
ま、今、分かったけどよ。

なんて、△△が絡むとごちゃごちゃ考えちまう俺だが、こいつらのテーブルの前に突っ立っちまってたのは、ほんのちょっとの間だ。
だってのに、シェイクを飲み干したテツは、

「青峰くん、そんなところに立ってられると、他の人にも迷惑です」
「あ?」

迷惑ってより、邪魔って聞こえる言い方に、俺はぴく、と反応した。

こっちだって、好きでんなとこにいるわけじゃねーし!
けど、気が付いたら、ここに入っちまってたんだよ。

なんて、さすがにいえねーけどよ。
そんな俺を完全黙殺な△△は、ずずっ、と自分もシェイクを飲み干すと、

「黒ちゃん、捨ててくるね」

トレーの上に自分の分と、それからテツのカップを乗せて立ち上がった。

「○○ちゃん、僕がやります」

代わろうとするテツに、けど△△はトレーを譲らない。

「良いよ、これくらい。それに今日は黒ちゃんに驕ってもらっちゃったし」

そう言って、△△はテツにご馳走様って笑顔を向けた。

クラスが違っても同じ高校に通ってる俺だ。
△△が別の奴に笑いかけてるのなんて、もう何度も見た。
けど、今は無性にそれがムカつくのは、どうしてだ。

(相手がテツだからか)

考える俺の前では、△△が火神の分(つってもあいつのはバーガーの紙屑ばっかだ)もまとめて片付けに行くのが見える。
それからすぐに戻った△△を、

「ありがとうございます」

迎えるテツの笑顔にも、俺はまたイラついた。
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