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What color?~黒子のバスケ~

第3章 青色~青峰~


あくまで俺を無視するか、それとも……。
△△の出方を待ちながら見下ろす俺を、△△は座ったまま見上げてきた。

「私が何処で何しようと、そんなの私の勝手でしょ」

理由を話すいわれもないってか。
思いっきり突っぱねられた俺は、でも頭にくるどころか、

「くくっ…ったくよ」

自分でもよく分からないが、笑いが込み上げてた。
怖がりなとこあるくせに、こういう向こうっ気の強さが面白いっつーか、懐かしいっつーか。

けどそんな俺に水を差したのは、やっぱりテツだった。
しかも。

「○○ちゃんをここに呼んだのは僕です」
「あ?」

こいつが呼び出したってのも引っ掛かるが、おい、今こいつのこと、何つった?
『○○ちゃん』だ……?

「おい、テツ、おま……」

つい言いかけた俺に、

「僕達、幼馴染みなんです」

一言そう言ったテツは、残りのシェイクを飲み干した。
幼馴染みだから自分が『○○ちゃん』って呼ぶのは当たり前…ってか?
幼馴染みっていや、俺もあいつのこと下の名前で呼び捨てにしてるけどよ。

△△の呼び方一つでいちいち引っ掛かってる俺は、やっぱりおかしいんだろうな。
理由なんか、分かってる。
それが、○○だからだ。

他の奴が誰にどう呼ばれようが、俺は何も感じねえ。
呼び方だけじゃねえ、他のことも、全部だ。

敢えて突っ張るみてえに気にしないようにしてた中学の時も含めて、思えば俺ん中は△△だらけだ。
ガキの頃、あんな風にこじれたから、さすがの俺も気が咎めてるだけだと思った時期もあった。

けど、そうじゃねえ。
それだけじゃない。
そんなんじゃねえ、って今の俺は知ってる。

ま、俺がどう思おうと、現実はこの体たらくだ。
そんな自分に笑いたくなる…どころじゃねえ、実際笑っちまったことも一度や二度じゃねえ。

自分で自分を笑う。
自嘲的?自虐的?ま、どっちでも良いけどよ。
そーゆーこった。
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