第3章 青色~青峰~
っても、俺がこうして階段下りてる間に、あいつを見失っちまいそうだが……。
そう思いながら、俺は階段を駆け下りる…なんてのもすっ飛ばして、踊り場から踊り場に階段を飛び降りた。
こんな程度どうってこともねえが、だからって、こんなマネして誰かを追い掛けるなんて、普通はしねーよな。
全部…あいつだからだ。
「はぁ…はぁ……」
屋上から全力で校門まで来た俺は、さすがにちょっと息が切れる。
部活の練習に比べりゃどうってことねーけど(つっても練習してねーけどな)。
けど、ターゲットはもっと先だ。
こんなとこで止まってらんねえ。
って、何を俺はこんなマジんなってんだ?
あいつに何かあったわけでもねえ。
ただ、家とは違う方角に行ったってだけじゃねーかよ。
それを……。
それだけの、ことだってのに。
(何気にしてんだよ、俺は)
けど気になるんだ。
見つけたのは偶然だが、そのままにしておけなかった。
だから俺は今、バカみてえに全力疾走してる。
とりあえずこの辺りは一本道だ。
路地もあるにはあるが、多分今も方向音痴なあいつが、わざわざ入っていきそうな感じじゃない。
自慢じゃないが、こういう勘は俺は結構当たる。
だから自分の勘を信じて、そのまましばらく直進した、その道沿い……。
(マジバか……)
ここにもあったのか、って思いながら、何となく中を見た俺は。
(いやがった!)
その店の中…つっても、窓際の席にいたわけじゃない。
だが俺の目は、すぐに△△を見つけた。
窓際からちょい奥の、ボックス席。
どうやら△△は一人じゃないらしい。
まあ、急いで飛び出してったとこからして、一人で…ってわけじゃないのは想像つくが…って……。
(あれ…テツじゃねーか!)
△△に目がいっちまって気づかなかったが、まさか△△が急いでた理由はテツだったってことか?