第3章 青色~青峰~
-青峰side-
俺はイラつきながら、屋上に寝転がっていた。
(さつきの奴…邪魔しやがって)
同じ高校っつってもクラスが違うから、あの口うるさくてしょーがねえのも、少しはマシになるかと思ったってのに。
△△が同じってのはともかく、さつきまで選択が被るって、どーゆーこった。
挙句、ごちゃごちゃと相変わらず、うるせーし。
邪魔しやがるし。
『っせんだよ!』
あん時はさすがに、さつきもしまったって顔してやがったが、今更なんだよ。
「ったく……」
俺は、ごろん、と寝返りを打った。
大体、あいつがうるせーのなんて、部活だけでも勘弁だってのに……。
『………へっ!?…』
あん時、変に裏返った声出して、それでも△△は俺に反応した。
その後、言葉に詰まっちまった俺も俺だが……。
「ちっ……」
お陰で、何もやる気がしねえ。
つか、いつもねえやる気が、更になくなっちまったってとこか。
にしても、あいつ、授業中に膝ぶつけてやがったな。
ホントに鈍くせーってより、痣んなってんじゃねーのか、あれ?
んなとこまで昔通りなのかよ。
違ってるとこも、確かにあるけどな。
人見知りはまだ残ってるみてーだけど、前に比べれば随分マシになったみてーだし。
昔に比べりゃ、随分と活発っつーか、明るくなったっつーか…気が強くなったっつーか。
いや…あいつは元々、ああいう素質を持ってたか。
ただあの頃は、人見知りと引っ込み思案の方が強かったってだけで、それでも馴染んだ相手の前では、思いっきり笑ったり喋ったり、はしゃいだりしてた。
その『馴染んだ相手』の中に、俺もいたことがあったけどよ……。
(今じゃ、このザマか)
授業が終わった途端、まるで逃げるみてえに教室出ていきやがって。
あれにはちょっとイラっとしたが、まあ、△△からすりゃ、当たり前の反応ってやつかもしれない。
「あー……」
わけもなく声を出しながら両手を広げて、俺はまた仰向けになった。