第3章 青色~青峰~
(はあ、何か…なあ)
特別イヤなことがあったわけじゃないけど。
何か、もやもやするような、そんな感じがするのって、何でかな。
(青峰くんが、いきなり話しかけてきたりしたから?)
そんな風にも考えてもみるけど。
(いやいや。関係ないし、あんな人)
それにしても、やっぱり何処かすっきりしないのは、どうしてなんだろう?
そんなことを考えながら、美術の授業が終わった途端、私は…こういうのって良くないって分かってるけど、青峰くんを避けるように、美術室を飛び出した(もちろん、あーちゃんも一緒に)。
だって、またさっきみたいな変な空気になるも嫌だし。
選択授業が終われば、クラスの違う青峰くんとの接点はない。
ちょっとほっとしながら教室に戻った休み時間、私はメールが来てるのに気がついた。
見てみると。
「あ……っ」
それは、ちょっと久し振りな『ある人』からの、ちょっとしたお誘いメール。
送信者の名前に、私は少しだけほっとするような、気持ちが柔らかくなるような、そんな感じがした。
「そっか、今日は部活お休みなんだ」
『もちろんOKだよ』って返信して、私はそれを机にしまった。
そして、ちょっと(実はかなり?)楽しみにしてた放課後。
あーちゃんとは元々帰る方向が違うから、いつもなら下校は他の友達とか、たまには一人で帰ったりするとこなんだけど。
今日は『約束』があるから…一人。
待ち合わせたそこへ向かって、私は駆け出した。