第3章 青色~青峰~
「どうしたの?どういう風の吹き回し?」
元気いっぱいに青峰くんに食らいつく(ように私達には見えた)桃井さんを見て、私とあーちゃんはお互い頷くようにして、そこから離れようとした、途端、
「っせんだよ!」
荒げた声が響いて、さすがの桃井さんも、びくっとするのが分かる。
青峰くんがそれ以上何かを言うことはなかったけど、桃井さんは何かに気づいたみたいに、私達の方を見た。
瞬間的に目が合った私は、ちょっと気まずい感じがしたけど、
「わっ、ごめんね!」
気がつかなかった!と、これまた声高に言われて、何ていうか、ちょっと私的に居た堪れないというか、居心地が悪いというか。
それに、別に謝られるようなものでもないし。
なので。
「ううん、全然」
気にしないで、って最後に付け足して、私はあーちゃんに目配せした。
「行こっか」
そう言った私に、あーちゃんも笑顔で頷いてくれた。
「そだね。もうじきチャイム鳴っちゃうし」
なんて、あーちゃんが言えば、ナイスタイミング。
本当にチャイムが鳴り始めて、私とあーちゃんは急いで席に着いた。
(結局、青峰くんが何を言おうとしたかは分かんないままになっちゃったけど)
それが何となく気になって、授業中、ちらっ、て後ろを見たら、青峰くんがこっちを見てる?ような気がして。
「~~~~~っ!」
私は慌てて目を反らした、んだけど、勢い余って。
がんっ!
「ぃっ!?」
机の脚に膝…ぶつけた……。
(い、痛かっ、た……っ)
でも、ほとんど声出さずに済んだし(っていうか、堪えたし)、誰も気がついてないみたいで、ちょっとほっとする。
さすがに隣のあーちゃんにはバレちゃって、
「何やってんの」
って笑われたけど。
(ホント、痛かった。痣になってるよ…きっと)
膝をさすりながら、私は何となく、溜息を吐いた。