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What color?~黒子のバスケ~

第3章 青色~青峰~


まあ、その程度なら怪我もしねえだろうが。
けど、たったそれだけでも、こいつに何かあんのは……。

(俺が嫌なんだよ!)

「こ…の、バカ!そうじゃなくても鈍クセーくせに、んな暴れたら、またコケんだろーが!」

つい声を荒げちまったけど、こいつは怖がる様子も見せずに、何故かそのままおとなしくなった。

(やっぱ、おもしれー奴)

面白くて、俺はこいつを気に入ってた。
そのまま、ずっと近くにいるもんだと思ってた。

幼馴染みの、さつきのような存在とは違う意味でだ。
けど、それをぶっ壊したのは、誰でもない、俺自身だ。

俺はこいつを傷つけてそのまま…謝ったら良かったのか、どうしたら良いかすら分からないでいる内に、△△は俺から遠くなった。

それならそれで良いだろって、何度も思おうとした。
けど、できなかった。

知り合いも、友達って呼べる奴も、幼馴染みのあいつも、他のどんな奴が俺から離れたって、別に何とも思わねえ。

結局、さつきは俺と同じ高校に来ちまったが、そもそもあいつの進路だって、あいつ自身の口から聞かされるまで興味もなかった。

てか、テツと同じとこに行くんだろうって思ってたくらいだ。

でも△△は…違った。

いつも心のどっかに引っ掛かって、忘れるなんてハナから無理だってことに、俺は気づいちまった。

ここ(桐皇)を選んだのは、もちろん他にも理由はあったが……。

△△が、ここにいる。

この現実は、思った以上に俺の中でデカかった。

俺が今まで口にしてきた(つか、今もよく言ってっけど)、巨乳だの、好みのグラビアアイドルだのってやつに通じるもんは、△△にはない。

胸なんつったら、こいつは逆にちっせーくらいだ。

けど、俺は△△が良い。
全部…こいつが良いって、思っちまった。

クラスは違うが、同じ高校の中に△△はいる。

美術なんて興味もねーが、こいつが同じ選択してるってのは、今初めて知ったぜ。

俺は△△を離してやると、そのままドアに手を掛けた。

「何ぼーっとしてんだよ。美術室に行くんだろ」
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