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What color?~黒子のバスケ~

第2章 水色~黒子~


けど、それも一瞬だけで。
黒子くんはすぐにまた背中を向けてしまった。

「後はここを閉めるだけです」

そう言って、黒子くんは私を先に出してくれた。

「鍵も僕が返しておきます。今日はお疲れ様でした」

改めて黒子くんと向かい合ったのは、二人揃って廊下に出てからだったけど、その時にはもう、黒子くんはいつもの黒子くんに戻ってて、さっきのような笑顔は、そこにはなかった(そりゃ、いつまで笑ってる人もいないだろうけど)。

まるで上手く誘導されるみたいに、私はそのまま黒子くんと別れようとしかけたけど。
私は改めて黒子くんに話しかけた。

「今日は…その……」

言いにくくて、でももう一回、ちゃんと(お礼とお詫びを)言おうとしかける私を、でも黒子くんは。

「△△さん」
「え、あ、は、はい!?」

黒子くんの意図は分からないけど。
彼は私の名前を呼ぶことで、続きの言葉を遮った。

「それでは、また明日」
「あ、うん。また、明日」
「次の当番も、よろしくお願いします」

そう言った後、また黒子くんが少しだけ…さっきの、私があったかいって感じた笑顔を見せてくれて。
思わず、じっと見てしまっていたら。

「それじゃ、失礼します」

って、黒子くんが行ってしまった。
まるで見惚れるみたいにしちゃった自分に、

(もう! 何してんの、私! 黒子くんに変な奴って思われちゃったよ、絶対!)

私が一人で頭を抱えたのは、そのすぐ後のことだった。
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