第2章 水色~黒子~
「今日は、すみませんでした」
「え?」
謝るのはむしろ私の方なのに、何で黒子くんは謝ってるんだろう?
わけが分からない私に、黒子くんはちょっとだけ俯いた。
「僕が、びっくりさせてしまったみたいで」
だからごめんなさい、と、何処かしゅんとしたように見える黒子くんに、私はぎょっとした。
そりゃ、確かにびっくりしたけど…でも。
「べ、別に黒子くんのせいじゃないし」
私は首を振った。
「黒子くんに助けてもらったのは、私の方だし!」
そうだよ、それなのにお礼だってまともに言えてない。
私…ダメダメだ。
「私が大袈裟に騒いだりしたから」
そうだよ、そもそも私があんなにびっくりしなかったら、何もなかったのに。
「私こそ、ごめんなさい」
「△△さん」
「それに、あの…ありがとう……」
『ごめんなさい』って謝るより、『ありがとう』って言う方が、何だか恥ずかしい気がするのは、どうしてかな。
私だけ…かな。