• テキストサイズ

What color?~黒子のバスケ~

第2章 水色~黒子~


「あの…私に、何か?」

クラスメイトなのは分かったけど(名前も思い出せたけど)、普段、あんまり…というよりほとんど喋ったことないはずなのにな。

(何の用だろ?)

きょとん、とするしかない私に、桜庭くんは、何か、もごもご言い難そうにしてて。

「桜庭くん?」
「あ、いや、ごめん。あの、さ…今日、部活休みだよなって思って」
「? うん」

私が頷いて答えると、桜庭くんは一瞬、俯いて、それから。

「あのさ。今日、一緒に……」
「すみませんが、カントクに呼ばれていますので」

桜庭くんを遮るように割り込んだ声に、私は驚いて振り返った。

いきなりだったのも驚いたけど、この声は…だって……。

「黒子くん!?」
「く、黒子!?」

私もびっくりだけど、桜庭くんはもっとびっくりしたみたいに固まっちゃってて。

そんな桜庭くんと私の間に、黒子くんが割って入った。

「お話し中、すみません。カントクがデータの件で相談があるそうです」
「カントクが?」
「はい。休みの日に申し訳ありませんが、呼んでくるように言われました」

来てもらえますか?と言われて、私はすぐに頷いた。

だって、元々今日もデータ入力していこうと思ってたし。
それでカントクから話があるっていうなら、ちゃんと聞かなきゃ。

私はすぐに行こうとしかけたけど、

(あ、いけない)

まだ桜場くんとの話が途中だったのを思い出して、

「桜庭くん、さっきの……」

私はそう言いかけたけど。

「あ、いや、良いんだ。忙しいのに、ごめんな」
「え…けど」
「何でもな…くはないけど、俺は、また今度で良いからさ」

桜庭くんは早口でそう言うと、

「じゃな!」

って、言いながら走り去ってしまった。
今度で良いって言うなら、良いのかな。

「大丈夫…なのかな」

よく分からないけど。
つい、ぶつぶつ呟いちゃった私に、黒子くんは少しだけ振り返った。

「桜庭くんが良いというなら、問題ないと思います」
「あ、うん。そうだね」
/ 278ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp