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What color?~黒子のバスケ~

第2章 水色~黒子~


捜してみれば、他にも同じ方向の人もいるみたいだし、それなのに黒子くんにばっかり送ってもらってたら、黒子くんにも迷惑だもんね。

黒子くんには、今までいっぱい助けてもらった。
色々心配してくれて、フォローもしてくれて。
何かあると、すぐに気がついてくれるのも、いつも黒子くんだった。

そんな風にしてくれる大事な『友達』の邪魔するようなこと、しちゃいけない。
だからもう、一緒には帰らないようにする。

それから…これは私の精神的な問題だけど、二人きりにも、ならないようにする(だってやっぱりちょっと辛いから)。

けどそれ以外は、普通に喋ったり、笑ったりして、みんなと同じように接するようにしようって思った。
それなのに……。

こんなところにトラップがあるなんて思わなかった。
そのトラップの名前は『テーピング』。

そもそも私が覚えたいって、カントクにお願いしたんだけど。
そうだよ。これって、腕とか足とかに巻くものなんだよね。

最初は、棒とかに巻いてみたりしてたけど。

「今度は実際に、人間の手足を使ってみましょ」

慣れてくれば、当たり前だけど、カントクはそう言って、誰でも良いから実験台になってもらうように…ってことになって。
その時の私は、

(男の子の腕とか足とかに触るってこと…だよね……)

普段はそんなことってないだけに、考えたらちょっとどきどきしちゃった…んだけど。

「△△さん。テーピング、もう慣れましたか?」
「あ、黒子くん。うん、何とか。まだまだ初心者だけどね」

だから実験台が必要なんだー、なんて、笑う私は内心、黒子くんとちゃんと喋れてるぞって、ほっとしてた。
けど、これからもこの調子で行こう、って、そう思った瞬間、

「じゃあ、僕がなります」
「え……」
「実験台、必要なんですよね」

言われて…私は固まりかけて。
でも、それじゃ駄目だって、私は無理矢理、

「ごめんね、今日は火神くんにお願いしちゃったんだ」

思いっきり嘘だったけど、そう言って、黒子くんから逃げてしまった。

だって…二人っきりじゃないって言っても、直接黒子くんに触るとか、ムリ。
絶対、無理だよ…私。

そんなことしたら、絶対意識しちゃうし、真っ赤になっちゃうし、手が震えちゃいそうだし、色々バレバレすぎるもん。
だから黒子くんにテーピングなんて絶対無理!
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