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What color?~黒子のバスケ~

第2章 水色~黒子~


すると△△さんは、そんな空気を誤魔化すように、あわあわと喋り出しました。

「その…だから、えっと、黒子くんは、何にも悪くないから!」
「△△さん」
「私の方が助けてもらってるし!だから、もう謝るのは、なしね」
「でも、それでは……」
「私が何とも思ってないんだから、良いの。それより私の方こそ、ちゃんとお礼言ってなくて」

でもやっぱり僕が悪いのだと、そう言おうとしても、△△さんは首を振るばかりで。
その上、今度は自分の方こそ、僕にお礼を言ってなかった…なんて言い出しました。

「いえ、そんな必要は……」

そんなこと…それこそ必要ないのに、と僕は思いましたが、

「そんなことないよ!」

きっぱり言い返されてしまいました。
こういうところは、本当に昔とは違うと感じます。
思ったことを口にするのも大変だった、昔の△△さんからは想像もつきません。

クラスの誰かに声を掛けるにも困っていた△△さんも可愛かったですが、今の、こんな風に思ったことを真っ直ぐに言える△△さんが僕はとても、好きです。

(まだ、伝えられていませんが)

石嶺さんとのことが落ち着くまではと思っていましたが、これからは……。

(ちゃんと、伝えます)

今日の今日とはさすがに行きませんが、近い内に、必ず。

そんなことを考えていると、△△さんは僕を見上げたまま、何かを迷うようにしながら、口を開きました。

「黒子くんはそんな風に言うけど。私は、その…本当に感謝してるから。だから、本当にありがとう。私ね…実は、中学の頃ああいうことがあったせいかは分かんないんだけど、高校で友達ができても、どっかでこう、自分から線引きしちゃうというか、そういうとこがあったんだよね。信用しちゃって良いのかなとか、何処まで自分のこと話しても良いのかな…とか。距離感みたいなのが、分かんなかった」

でも、これからはそれも変えていけそうな気がすると、△△さんは、僕の前で笑ってくれました。
まだ少し頬が赤くて、僕の目にはそれがちょっと、目に毒ではありましたが。
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