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What color?~黒子のバスケ~

第2章 水色~黒子~


そんな△△さんからは僕を責める素振りも見えませんが、本当は僕の方こそ△△さんに謝らなければと思っていました。

石嶺さんのことが片付くまではと秘密にしてきましたが、それも終わりました。

「△△さんと石嶺さんの過去を、僕は勝手に調べました。でも本当は、してはいけないことです」

でも…悪いことと分かっていながら、僕は中学時代の友人から情報を得たりもしました。

「その上、僕はその情報を、全てではありませんが、カントクと部長にも伝えました」

プライベートを勝手に調べて、挙句、それを他人に流した僕を、△△さんが怒るのは当然の権利です。

△△さんを守りたくて…助けたくてしたことであっても、それは僕の言い分であって、△△さんには決して気分の良いものではないはずですから。

だから全部が終わった今、僕は覚悟を決める思いで△△さんに向き直ると、深く頭を下げました。
それなのに。

「そんなに謝られても、困るよ」
「え?」
「だって私、別に全然怒ってないし」

あっさり答える△△さんの方こそ、何故か、ちょっと困ったような顔をしていました。

「昔のこと勝手に調べたって言えば、そうなんだろうけど。でも黒子くんのしたことは、単なる好奇心とか、そういうんじゃないんだよね?」
「それはもちろん、そうですけど」
「それに今日のことがなかったら、私はこれからも美由のことで、ずっと悩んでたかもしれないし。だから」

そこまで言った△△さんは言葉を切りましたが、すぐ後に、とても小さな声で恥ずかしそうに、ぽつり、と続きを零したのが、僕には聞こえました。

「黒子くんには、すごく感謝してるから」

(△△さん……)

そんな風に言ってもらえるなんて思わなかった僕は、下げていた頭を思わず上げてしまって、途端、僕達は至近距離で目が遭ってしまって。

(…………っ!)

一瞬で顔が熱くなるのを、僕は抑えることができませんでした。
僕は慌てて片手で顔を覆いましたが、幸い、△△さんに見られることはありませんでした。

何故なら△△さんも、赤くなった頬を両手で隠すのに忙しいようでしたから。
でも、お互いにこういうのは、何だか。

(これはこれで、何だか気恥ずかしい気分です)
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