• テキストサイズ

What color?~黒子のバスケ~

第2章 水色~黒子~


-黒子side-


△△さんと石嶺さんとの問題が解決した、その帰り道。
すっかり暗くなってしまった夜道を、僕は△△さんと一緒に歩いていました。

ちなみに石嶺さんについては、カントクと部長の二人が『責任を持って』送ると言っていました。

みんなに追い回されて捕まった挙句、USBを盗み出して△△さんをハメるという計画も逆手に取られ。

△△さんとはほぼ完全な絶縁に至った上(これについてはそれで良かったと思いますが)、バスケ部員(というよりは主にカントクでしたが)からは、ほとんど吊るし上げ状態にされて、石嶺さんにすれば散々な一日だったかもしれません。

(そうはいっても、自業自得だと思いますが)

それでも最後には△△さんとも向き合えて、石嶺さんも少しはほっとしているでしょうか。

でも、そんな彼女を送る役を買って出たのは、カントクと部長でした(特にカントクは非常に乗り気なのが見ていて分かりました)。

途端に石嶺さんの顔色が変わったように見えたのは、きっと僕の気のせいではないと思います。

あの二人に挟まれた石嶺さんが平穏に帰り着けるとは、とても思えません。

今頃は恐らく、きついお灸の十や二十(もちろんお説教という意味です)は、されていると思います。

それに、もしも僕がカントク達の立場でも、やっぱり何も言わずにはいられない気がします。

(やっぱり、自業自得です)

校門を出てから少しだけそんなことを考えていた僕でしたが、これ以上、石嶺さんについて考えるのはやめることにしました。

今、僕の隣には△△さんがいます。
今日は△△さんにとって大変な日になってしまいましたが、

『ありがとう、黒子くん』

そう言ってくれた△△さんの言葉が、今も僕の中に残っています。

いつもは『ごめんね』とか『迷惑をかけて』とか、そんな風に言うことの多かった△△さんが、今日は違っていて。
それが嬉しくて、心が温かくなりました。

僕はすっかり覚えた、△△さんと同じ歩調で歩きながら、そっと、その横顔を窺いました。

月明かりと街灯に照らされて、夜道でもはっきり見えるそこには、何処か疲れたような色が見えます。

(無理もないです)
/ 278ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp