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What color?~黒子のバスケ~

第2章 水色~黒子~


もうこの際だから全部言ってやれって、そんな気持ちもあったかもしれない。

「私は最初から、美由の友達じゃなかったんだよ」
「そんなこと…な……」
「あるよ。最初の台詞も『友達になってあげる』だったじゃん。上から目線だなって、子供心に思ったもん。実際、何するにも美由の都合が最優先で、引っ込み思案の私は美由の思い通りになる人形みたいなものだった。だから私が自分の意見を言うようになると、すごく不機嫌になったよね。丁度その頃、中学に入学して。部活でいじめが始まった」
「~~~っ」
「先輩が怖いのは分かってたから、美由に助けてもらおうなんて思わなかった。けどまさか、みんなと一緒に嫌がらせしてくるなんてね」
「あれは…先輩に言われて、仕方なくて!」
「言い訳とか、もう良いから」
「っ!」
「美由っていう友達は私にはいない。これからもないから、そっちはそっちで、新しい友達でも仲間でも作りなよ」
「○○」
「それでも、ほんのちょっとでも後悔してるって言うなら、二度と私に…私の友達にも仲間にも、変なことしないで」

付きまとったり、手出ししたり…とにかく何かしたら許さない。

今まで誰かに向かって、こんな一方的な…相手の反論もほとんど無視するみたいな言い方をしたことなんて、一度もない。

だけど美由には…できた。
自分でもこんなに色々溜め込んでたのかってびっくりするくらい、後から後から言葉が出てきて止まらなかった。

けど、後悔なんかない。
言いたいことを言った私に、美由は床に突っ伏した。

「しない…何にもしない。だから、私…これからもこの学校にいても、良い?」

せめて、それくらいは良い?なんて訊かれて、私はかなり唖然としたけど(だって普通そんなこと訊かないと思うし、そもそも私にそんなこと決める権利なんかないのに)。

「……勝手にすれば」

あくまで突き放すようにしか言えない私は、捻くれてるのかな。
だけど、どうしても、美由には優しい言葉を掛けることができなかった。

でも、そんな私に美由は何度も頷いた。

「うん。…私、これから、がんばって…みる……」

新しい友達を作って、できれば同好会も、新しい友達と作ってみたい。

最後には泣き笑いを浮かべた美由は、それから少しして、ふらふら立ち上がりながら、私と…それから、フロアの反対側にいるカントク達に深々と頭を下げた。
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