• テキストサイズ

What color?~黒子のバスケ~

第2章 水色~黒子~


そんな風に言われたら、何だかまた、分からないことが増えそうだったけど。

「いつまでぶつぶつ言ってんのよ。私だって暇じゃないんだけど!」

空気を壊すように甲高い声を上げたのは、美由だった。

「早くしてよ!そうすればきっと『分かる』と思うし」

黒子くんの言葉をわざと引用するみたいにするのが、私には癇に障った。

まだ分からないままなことがあるのは確かだけど、黒子くんと美由の言う『分かる』って意味が同じじゃないことくらい、私にだって理解できる。

私はカントクを見た。

「美由はさっきから何を言ってるんですか」

『調べる』とか『分かる』とか、美由はやたら意味深な言い方をしてる。
それってどういうことですか、と何となく目で問うと、カントクは苦笑しながら肩を竦めた。

「さっきまでは、火神くん達に捕まって泣きそうにしてたくせに。△△さんが来たら、随分元気になったわね」

図星だったのか、美由の顔が急に真っ赤になった。

「うるさいのよ、あんた!」

美由は虚勢を張るみたいに、カントクを睨みつけたけど、そもそもカントクにその程度なんて効かない。

普段から男子バスケ部のメンバーを纏めてるほどの人が、美由程度に怯むわけがなかった。
逆に、

「△△さんが来た途端によく吠える。あんたの方がよっぽどうるさいのよ、小娘!」
「~~~~~~っ!」
「△△さんになら、虚勢見え見えの吠え声でも通じると思った?それとも、助けてくれるとでも思ったの?言っとくけどね、△△さんはウチのマネージャーなの。ウチの人間に妙な真似する奴は、絶対に許さない!」

ほとんど倍返し状態に言い返されて、美由の膝が震えるのが分かった。

言い返す元気もなくなったらしい美由に、カントクはわざと、今更思い出したように手を叩いた。

「あ、そうだった。△△さんの鞄を調べろって言ってたっけね」

そう言って、カントクは私に振り返った。

「ごめんね、△△さん。勝手に鞄を開けるわけにもいかないし、ちょっと鞄の中、見せてもらえる?」
「あ、はい」
/ 278ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp