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What color?~黒子のバスケ~

第2章 水色~黒子~


途端、

「え、あっ……」

△△さんは必死に距離を保とうとして後ろに下がって、でもまた僕が前に出て。

それを何度か繰り返したら、△△さんは真っ赤になって頭を抱えてしまいました。

「△△さん?」

いきなりの変化に僕が立ち止まると、△△さんはその場にしゃがみ込んで、顔の前で両手を振りました。

△△さんが軽くパニックに陥っていることは、それだけで分かりました。

「あ、ちょっ…その、あのっ、私…えっと、実は男子と帰るのとか初めてで、ちょっと今、変というか、あの…そのっ」
「え……」
「へ、変だよね、私…って、もっ、私、何言ってんの!?ごめん!今の忘れて!私、何か本当に変だからっ」

△△さんの台詞からするに、彼女は今まで男子と二人きりでこんな風に歩いたことがない…みたいで。

しかもそれを自分で暴露してしまったことが、更に恥ずかしいのか、△△さんは座り込んだまま唸ってしまいました。

僕的に、これはどうしよう…というより。
パニくっている△△さんがすごく。

(可愛いんですが)

お陰で僕は、違う意味でちょっと…かなり困りました。

△△さんが奥手なのは見て分かってましたが、こんな風に目の前で真っ赤になられたりすると、僕まで恥ずかしくなってしまいます。

それに異性を意識するというのなら、僕なんて、毎日△△さんを意識して、どきどきしてるくらいです。

ただ僕の場合、それがあまり顔に出ないということと、△△さんの前で赤くなったりしないように、それなりに努力というか、そんな自分を見られないようにしているせい…だったりします。

でも、今日の部活でのあれは、ちょっと危なかったです。

あの時も今のように△△さんが心配で、

『△△さんを気にしないのは、無理です』

つい近づきすぎて、そう言ってしまいました。

その途端、僕は△△さんとの、思った以上に近い距離と、自分の台詞とに顔が熱くなるのが分かって、慌てて△△さんに背を向けました。

今までも似たようなことはありましたが、段々と抑えきれなくなっているような…自制が利かなくなってきているような感じがするのは、多分、気のせいではないと思います。
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