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What color?~黒子のバスケ~

第2章 水色~黒子~


まさか、と思いながら、それでも頭に浮かんでしまったことに、僕は教室に戻りかけていた石嶺さんをもう一度呼び止めました。

(この人は…もしかしたら……)

「演劇の同好会を、まだ設立していないそうですね」
「だから何?」
「△△さんと、もう一度やり直したいと思っているのではありませんか」
「………ぇ?」

この考えが浮かんだ瞬間、僕もまさか、と思いました。
今までのことを考えても、△△さんが彼女ともう一度、友達になろうとは恐らく思わないと思います。

それでも、この人はもしかしたら、どうしたら良いのか分からないまま、ただ闇雲に、一度は失ってしまった△△さんという友達を取り戻そうとしているのかもしれない。

そんなこと、まさかありえないだろうと、僕も思いましたが。
僕の言葉に反応した石嶺さんの表情が、さっきまでとはあまりにも違っていて、僕は自分で口にしたことに、思わず戸惑いました。

(まさか、本当に?)

「そう…なんですか」

独り言なのか、石嶺さんに真意を問いたかったのか。
自分でも分からないまま呟いてしまった僕に石嶺さんは、

「うるさい、うるさい、うるさい!もうほっといて!」

ヒステリックな捨て台詞を吐いて、走り去ってしまいました。

「……………」

僕も教室に戻らなければと思いましたが。

(とっくにチャイムは鳴ってしまいましたし)

午後の授業は、完全に遅刻のようです。
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