第14章 危機
帰る途中、ひたすら涙を流して帰り、その日は一切寝ないで走り続けた。本当は里を襲撃された事を心配しなければいけないのに、カカシの声がどうしても頭から消えなかった。
彼を悲しませて、裏切り、傷つけても、
里を選んだ。
暗殺者じゃなくて、普通に観光に来て、そこでカカシに会えたら、どれほどステキな出会いだったんだろう。優しい彼をずっと、思い描いて、私は自分を慰めていた。
離れてみて分かる。
彼の存在がどれほど膨らんでいたのかを
感じてしまう。
身体を引きちぎられるように、苦しい。
心が痛い。
もう会えない。
もう私からは行かないのだから。
流しても流しても
私は涙がずっと止まらなかった。
ゼロとは二日目で合流したが、私の目が真っ赤になっている事にゼロは、気づいていたけど、何も言わなかった。
十五日も経った里は悲惨で、どうにか堪え耐えていた。
敵も体力を消耗していたこともあり、私達二人の合流により、どうにか敵を全滅させた。
この大戦により、里の総長も死去してしまい、ゼロが次期総長に推薦された。
私は何度も打診されたが一切断り、彼を影で支える事に徹した。