第15章 ラスト
あれからもう十年が経つ。
五年ぐらい経てば、彼が一人前の総長として一人だち出来るようになり、補佐役を別の人間に引き継いだ。私はそのあと先生として働いている。
カカシはあれから、一度も私に会いに来ていないし、行っていない。
暗殺者と火影は結婚なんかしない。
もう全部済んだこと。
そう思い、日々今を過ごしている。
「先生!待ってや、そんなオレ走られへんわ、何キロあるねん!」
「は?何言ってんのよ、見てみーや!あんただけやで、あの山まで頑張って。ほら早く、行っておいで!ほんで上の石に置いてるメダルを取って、ダッシュで帰ってくるんやで?」
「意味わからん!先生は何で走らんのや、生徒にばっかやらせてズルいわ!」
「私は、オ、ト、ナ!!さあ、行かな二倍にするで!!」
ヒィィィ!っといつも文句ばっか言う悪ガキがダッシュで向かった。
クスクス笑って、子供達が走る後ろ姿を見つめた。カカシも確か先生をしていたって言っていた。今では懐かしい響きだった。
「やっと見つけた。どれだけ探したと思ってんだ、バカ。」
気配を完全に消して背後から声をかけられ、顔が硬直した。
「お前あり得ない情報ばっか言いやがって、嫌がらせも大概だな。ってか喋り方全然違うんだな、ビックリだわ。」
近づいてくる足音が背中から聞こえる。
「、いつまでたっても来ないからオレが来てやったの。」
「カカシ…何で?ここまでどうやって来たの?火影は?え?」
「と一緒で走って探してきたけど?火影は一年前にナルトに譲ってきたよ。オレは何も無い、ただの忍だ。」
ギュッと後ろから抱きしめられて、私は思わず口元を手で押さえ涙をボロボロ零していた。
「お前はオレの嫁になるんだからな。」