第14章 危機
簡単に別れを言って、私達は一週間後に普通に会うような、簡易なサヨナラをした。
カカシはきっと、私の嘘を全部気がついている。
私が彼の目を見れなくて、ずっと目を合わさずに喋っていたのだから。
涙で嘘を隠してお別れをした。
千キロ離れた里に住む人間にわざわざ逢いに来るバカはいない。
ましてや彼は火影。
往復一カ月もの間、里を離れる事など不可能だ。
彼が好きだ。愛している。
それでも私は里を選んだ。
しかも私は嘘を彼に教えた。
裏切りもここまできたらバツが悪い。
彼は、私の下手くそな嘘を、信じたフリをして、暗殺しようと計画した人間を平気で逃した。
里が危険だということは
信じてくれたようだ。
本当はこんな人間は牢屋で拷問以外ない。
何も明かさない私は里の危険を脅かす
犯罪予備軍なのだから。
全部、彼はわかっていた気がする。
カカシの声が、震えていたように
ずっと
感じていたのだから。