第13章 火影邸
ベッドがギシギシと重みで動く。
優しく髪の毛や頭を撫で、割れ物を触るように頬に触れている。
ゆっくり細めを上げれば、辛そうなカカシの顔が目にボンヤリ入ってきた。
「、起きたか?朝方まで…悪かったな、無理させた。すまない、やり過ぎた。」
愛しいカカシの優しくてあったかい声が私の耳に広がっていく。
それでも何も言えずに黙っていれば、頭を優しく撫で、苦笑いをしている。
「、オレは、こんなに人を手に入れたいって思った事が無い、真剣だから。お前がいなくなるなんて、想像しただけで恐ろしくなったよ。」
「カカシ…私はあなたが好きよ、だけど、結婚はまた別の話でしょ?私は……里を捨てれないわ。」
「結婚したら木ノ葉の人間になれるでしょ?捨てなくていいじゃない。なあ、お前は里の名前をいつになったら、教えてくれるわけ?」
急に低く重圧的な声に変わり、目は鋭くキツイ。それでも私は言わない。
「言いません。」
「えーいいじゃんない、少しぐらい。」
「むーり。」
「んー、じゃあ、ヒントは??」
「ヒント⁇意味わからないんだけど。クイズじゃないし。」
「あ、とか、つく?い、とか、う、とかは?」
思わずドキっとしてしまうが、私は忍だ。表情を変えずにカカシを見ていた。
カカシは、今日はラフな服装をして、口布もしていない。やっぱりカカシはカッコイイ。思わず見惚れてしまえば、彼も反応するかのように優しいキスをしてくれた。
ギュッと身体を抱きしめ、引っ付いて離さない。
「嬉しい……嬉しいよ、がいてくれるだけで幸せな気持ちになる。」
あったかい温もりに包まれ、私もカカシの背中に手をゆっくり回した。
「嬉しい……嬉しい、本当に、嬉しい。」
カカシはずっと、同じ言葉をリピートしながら言い続けていた。