第13章 火影邸
気がついた時、私は大きめのTシャツを一枚着ていた。
外から眩しい光が窓から照らされている。
宿ではないフカフカの暖かい布団の中で、私は目を開けた。
ベッドから起き上がれば、カカシの匂いが部屋中に広がり、写真立てが二つ、棚に飾っている。
足元には犬が沢山寝ている…一、ニ、三…と数えてみれば七頭いる。
パックンの言葉を思い出し、後ろを振り返れば、パックンが目を開け見ていた。
「カカシからの伝言だ。
好きに使っていい。でもいなくなるのはダーメ、らしいぞ。」
パックンが呆れて言っているが、
これは緩い監禁だ。里から出るなと命令している。
監視犬がさらに呟く。
「本気かどうか分からんが、ずっと結婚するとか馬鹿な事を言ってたぞ。」
「あはは、まさか冗談ですよー。」
「カカシが火影邸に女を連れてきたのは、が初めてだ。だいたいカカシが女を連れ込んだ記憶がワシにはない。」
真剣に言われて、グッと思わず息を飲んだ。そこまで覚悟した情事だったかと、心がざわついた。
「……っ!!」
急いで緊急ピルを!、と思って立とうとすれば、一気に7頭が顔を上げ、起き出す。
「な、何よ?」
逃げ腰になりながら後退すれば、パックンがさらに喋りだす。
「ピルを買いに行くのも禁止らしいぞ、、今日は諦めて休んでおけ、カカシが無理させ過ぎたと嘆いていたからな。」
パックンの言葉に、大きく溜息をつき、横になった。実はまだ身体が鉛のように重く身体に力が入らないからだ。
横には容器にいれたお茶が置いている。
それを口にして飲み込み、また横になって目を瞑った。